墨田住人の備忘録

色々な情報に接して得心することは多いけれども、40を過ぎてからすぐに忘れてしまうので備忘録として書こうと思う。

羽二重団子

 羽二重団子の本店は、日暮里駅から少し歩いたところにある。駅前にも支店のような新しい店があるけれども、折角行くなら本店に限る。店構えや店内から入れる庭園も趣があって素晴らしいが、かつての文豪たちが「芋坂の団子」と称して度々語っていたのはこの場所のことらしい。前から来てみたいと思っていて、ようやく最近念願かなって団子を味わう事ができた。あんこと焼きの2種類、どちらも同じ位の人気らしいが、私は個人的には焼きが好きだ。みたらしほどの甘さがなくて、香ばしい醤油味がやわらかい餅にしっくりくる。

 この店に来たかったのは正岡子規の本に出ていたのを読んだから・・・と思っていたが、よく考えるとこの店が登場する本は読んでいない。子規のイメージが強かったのは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」の子規のくだりで登場したからだ。店内には他にも漱石などゆかりのある文豪が展示されていて、明治や大正の時代にも賑わっていたことが窺える。谷中や根岸からは少し外れている分、周りがそれほど観光地化されていないというのもまた味わい深い。

 

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