子規庵
前から行こうと思っていた子規庵にようやく行ってきた。
正岡子規が贔屓にしていた羽二重団子は食べたけれど、そういえば近くにある子規のかつての住居が保存されているという子規庵には行ってないな、と思ったのが数ヶ月前。時間があったのでようやく行くことができた。
私は俳句を嗜む習慣はなく、子規の数々の業績などへの理解が乏しい。それでも、私にとって子規はいわばヒーローのような存在である。何故ならば私自身も病気持ちであり、彼の「病床六尺」などの随筆を読んで畏敬の念を抱いたからである。
若くして(私は彼ほど若くないが)病床を離れられない辛さ、同年代の人々が活躍していることへの複雑な心境、それでも尚且つ旺盛な知識欲と観察力を持ち続けた精神性など、単純に凄いものだと感嘆する。やはり子規は超人だと思う。
子規庵は当時の建物を再現したものであるが、今はもう結構古くなっていてなかなか雰囲気がある。こんな部屋で伏せながら書いたり話をしたりしていたのだと思うと、子規の切ない心情も感じることができる。
しかし、一歩外に出るとそこは鶯谷、都内有数のラブホ街である。昔は風情のある町並みだっただろうに、そこは惜しいなあと感じる。