墨田住人の備忘録

色々な情報に接して得心することは多いけれども、40を過ぎてからすぐに忘れてしまうので備忘録として書こうと思う。

旧中川の情景

寒かったり体調が悪かったりでしばらく旧中川の辺りを歩くことがなかったが、今日は久方ぶりに散策してみた。 川にいる鳥は圧倒的にオオバンが多く、わが物顔で川を占領していた。中州になっているところに、こそこそと鴨がいるのが少し可哀想だった。春の陽…

オオタカ 行徳の野鳥観察舎

ニュースで知ったのだけれども、千葉県の行徳にある野鳥観察舎が、建物の耐震性が低いため今月28日から休館になり、そのまま廃止されるかもしれないとのこと。 千葉県が所有する施設なので東京都民としては発言権はないのかもしれないけれど、何とか存続して…

雪松図屏風

日本橋の三井記念美術館で展示されている雪松図屏風。円山応挙の作品で国宝に指定さてれている唯一の作品であり、最も有名な作品だろう。 絵心も芸術的なセンスにも欠けている私が、今現在もっとも好きな美術品かもしれない。 作成当初の輝きからは少し褪せ…

旧中川 灯篭流し

終戦の日の8月15日、旧中川で東京大空襲犠牲者慰霊の灯篭流しがあったので、家族で会場に行った。 毎年開催されているのは知っていたが、いつもお盆で帰省しているので都内に不在のことが多く今年が初めてとなる。戦後70年という節目ということもあるの…

旧中川の夏鳥

久しぶりに旧中川に鳥を見に行った。 季節が春から夏に変わり、夏草が高く伸びて川辺の風景を一変させている。 大雨の後でいつもより水かさが増している水辺には、ほとんど鳥の影が見えない。川沿いの遊歩道を歩いていると、スズメやムクドリに混じって時々…

沈みゆく大国アメリカ

この本は「貧困大国アメリカ」の著者による、いわゆる「オバマケア」などアメリカの医療改革に関するルポである。書かれていることがアメリカ医療の現実そのものだとは思わないが、どのくらい現実に即しているのだろうか。話半分くらいだとしても、アメリカ…

子規庵

前から行こうと思っていた子規庵にようやく行ってきた。 正岡子規が贔屓にしていた羽二重団子は食べたけれど、そういえば近くにある子規のかつての住居が保存されているという子規庵には行ってないな、と思ったのが数ヶ月前。時間があったのでようやく行くこ…

依存症ビジネス 「廃人」製造社会の真実

まだ読みかけの本ではあるけれども、そこそこ長いので途中で少し備忘メモを書いておこう。 英国人のライターが書いたもので、現代における様々な依存症に関して興味深い洞察をしている。依存症といえば、酒、ドラッグ、ギャンブル、あるいはセックスなどが代…

はじめての福島学

福島論で著名な社会学者の開沼博氏の新刊。 開沼氏の本やインタビューなどは前にも何度か読んだが、個人的には結構チクチクと突き刺さるところがある。3.11の衝撃があまりにも大きかったので、私自身は福島、あるいは原発そのものに関する問題に対して感…

燕子花図

もとより芸術には疎いので、都内の美術館なども行ったことがないところが多い。根津美術館もその1つであったが、尾形光琳の有名な燕子花図が公開されているということで見に行った。恥ずかしながら、根津美術館というのは名前は聞いたことがあったけれども…

羽二重団子

羽二重団子の本店は、日暮里駅から少し歩いたところにある。駅前にも支店のような新しい店があるけれども、折角行くなら本店に限る。店構えや店内から入れる庭園も趣があって素晴らしいが、かつての文豪たちが「芋坂の団子」と称して度々語っていたのはこの…

五重塔

谷中霊園を散策すると、小さな公園の端に五重塔跡という案内版が目に入る。その度に幸田露伴の「五重塔」をそのうち読んでみようと思いながらはや数年、先ごろようやく読んだ。 露伴は墨田区にゆかりのある文人ということで、近くの図書館には特設コーナーが…

日暮里駅陸橋からの鉄道風景

谷中は今や立派な観光名所だけれども、近くの日暮里駅前には鉄道ファンの名所がある。 私自身はこれまで鉄道には大して興味がなかったが、小学生の息子が熱烈な鉄道ファンなので、何度か行ったことがある。天気の良い日には何人もの先客がいて、ひっきりなし…

臥竜梅

亀戸は梅が有名で、数年前には「亀戸梅屋敷」という観光案内所を作っている。 亀戸は江東区だけれども、墨田区との境はかなり出っ張って入り込んでいるので、文花とか立花辺りだと亀戸も充分に近く馴染み深いエリアである。小村井駅から明治通りをまっすぐ歩…

秋葉神社

国道6号線から少し曳舟側に入ったところに、秋葉神社という小さな神社がある。 「考証 江戸を歩く」という少し古い本に書かれていたので散歩がてら立ち寄ってみた。墨田区周辺は私の実家のある埼玉などとは違い、江戸時代から沢山の人が生活をしていたので…

東京モスリン・・・2

「女工哀史」の著者である細井和喜蔵は東京モスリン亀戸工場に勤務していたので、本書には当時の工場の様子が何度か出てくる。 「亀戸工場」と言っても実際の場所は現在の東あずま駅に近い立花団地の辺りである。当時の工場歌といものが載っているので引用す…

旧中川のカワセミ

旧中川にはカワセミがいる。 旧中川というのは、現在の荒川から発して亀戸中央公園の裏を通るやたらと曲がりくねっている川だが、自宅から平井方面に抜けようとする時に渡ることがある。 この川の歴史に触れるときりがないが、数年前まで行われていた整備事…

東京モスリン・・・1

モスリンとは何ぞや。 家からそれほど遠くない団地は、その昔「東京モスリン」という会社の工場だったそうだ。そこで調べてみると、モスリンというのは毛織物の1つらしい。今ではほとんど流通していないが、戦前に日本が紡績大国だった頃には大量に生産して…

会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから

発行されたのは一年近く前であるが、最近この本を読んだので感想を少し書く。 本書は消滅した三洋電機とその社員について記録したものだ。私は三洋電機と同じ電機業界に属する会社に勤務していたので、この10年余りの激動期を遠目には見ていた。しかし、当時…

女工哀史

墨田区の文花に住んで10年。ここは生まれ育った場所ではないし、労働問題などにも関心がある訳ではない。 というのは言い訳になるけれども、恥ずかしながら最近までこの辺りが「女工哀史」の主要な舞台であったことを全く知らなかった。「女工哀史」という…

小村井、吾嬬、文花、立花・・・墨田のことなど

東京の東側、墨田区に居を構えてはや10年。引越した時に妻のお腹にいた子供はすでに小学校の高学年になった。 私自身は生まれも育ちも埼玉県で、とにかくこの辺りの予備知識は全く無い。妻は東京生まれだけども、興味の対象が全く違い地域の歴史などには関心…